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Think about Honda Fit…
2010.10.21
■なんだかスッキリしないので、少し長い文で記しておこうと思う。既に動画「まなビデオ」でも「【ちょい辛】ホンダ新型フィット・ハイブリッド」をお届けしたし(↑この動画がまさにそれです)、昨日はこのLOVECARS!のトップ記事として、「ついに登場した最小/最安のハイブリッドーフィット・ハイブリッドー 」と題して、簡単なレポートを素早くアップした。ただ、大事なことが上手く伝わっていないような気がして、改めて記してみよう、そう思ったのだ。
■コンパクトカーの役割は、所有する人の生活に即した優れた道具であることが第一義であることは間違いない。そして、そんな風にして見た場合ホンダ・フィットというのは以前から、優れたコンパクトカーであることに間違いない。そしてこれは僕自身も、そう思っていることでもある。特にフィットの場合、日本生まれ日本育ちで後に海外へ進出した経緯を見れば、まさに我々の市場を考え抜いて作られたモデルがグローバルに通用したとさえ言える。またそれは月販売台数でずっとトップに立ち続けていたトヨタ・カローラから、日本一の座を奪うという偉業を成し遂げた功績からも判るように日本における真の意味での人気モデルである。
■デザインも、クオリティも、ドライブトレーンも、シャシーも、スペースユーティリティの高さも、使い勝手も、環境性能も、価格も悪くない。いや、むしろあらゆる部分で高いレベルを実現しており、それがバランスしているという点を考えればひとつのスーパープロダクトでもある。コストパフォーマンスの高さは言うに及ばない。この点において、本当に良くできたクルマだと思う。多くの日本人の好みを知り尽くし、それをひとつずつしっかり盛り込んで…フォーカスはバッチリあっているのだ、と思う。
■いろいろな自動車メーカーがあり、いろいろなターゲットがいて、いろいろなカタチの、いろいろな走りの、いろいろなコンパクトカーがあっていい…そう思っている。だから、これがフィットなのだ、と言われれば納得。同様に、これがマーチです、と数ヶ月前に言われたけれど、僕はそれにも納得した、多分。人によってはスズキ・スイフトは開発ターゲットがEUを向いている、という。それも確かにあるだろう。僕が高く評価してリスペクトするコンパクトカーであるVWポロは、そもそも欧州生まれ欧州育ちのクルマだ。でも、それも「いろいろ」の中のひとつ、なのだ。
■いろんな人がいる。だから、いろんな好みがある。だから、クルマもいろいろある。それでいいと思う。そして、それほどに恵まれた環境のもとでクルマを選べるのは何と幸せなことだろうと思う。自分の好みで、財布と相談して、趣味にあうものを、世間体を考えて…いろんな方法で選べば良いと思うのだ。それこそまさに、クルマ選び。選択肢が多いほどに贅沢。だから僕は、もし自分が選ぶならばどれにするだろう? と考えて評価している。二者択一や三者択一という少ない選択肢ならば、そこには社会的な背景や生産技術や云々かんぬん…というエクスキューズも盛り込んで考えるかもしれないが、これだけ自由に多彩な選択肢がある状況なのだから、正解はひとつ”好きに選べばいい”が真理。だから僕も同じように、自分の感覚で評価して選ぶのだ。
■僕が数多あるコンパクトカーの中から選ぶのは2台。もう判っていると思うが、VWポロとスズキ・スイフトだ。財布にゆとりがあればVWポロの1.2TSIを、虎の子の予算を使うならスイフトのESP付きを。これが僕の感覚。理由は簡潔にいえば、VWポロのコンパクトカーのお手本といえる完璧性があり、気持ちよい走りが得られるから。もちろんそれゆえに遊び心は薄いし、価格はちょっと張るのだけど。スズキ・スイフトはこれなら毎日の乗車時間が最高に幸せな時間になる、と思えるだけの走りの楽しさがあるから。それが極めてアフォーダブルな価格で買えるからだ。
■僕はフィットを選ばないし、フィット・ハイブリッドも選ばない。理由は簡単。数多ある選択肢の中で、僕は僕の心が揺さぶられたり、ときめかされたりするクルマを選ぶからだ。もちろん、そんな感覚は個人の思い入れ次第でどうにでもなるもの、かもしれない。いや、事実そうだと思う。だからフィットに、フィット・ハイブリッドに触れた時、そこに楽しさ気持ち良さを見出すことができる人もいるはずだ。もちろんその人はフィット、フィット・ハイブリッドを選べば良いのではないかと思う。ただ、僕はあくまで選ばない、という話なのだ。そしてこれはクルマの善し悪しには関係ない話。ようは僕が選ぶなら、の答えとしては違う、ということ。
■それに実際、フィットは良く出来ているのだし、受注だって既に発表から1週間程度で1万4000台!にも達しているのだから、それは多くの人の心をとらえていることの証だろう。
■動画を見た人の何人かが、僕のしゃべりが気になるらしい…奥歯にものが、とか、歯切れが、とかね…w いや、普通ですよ、僕は。
■ただ、ただね、ひとつだけ気になるとするならば…って、ここからが「問題」なのかもしれないですが、これだけ数多あるコンパクトカー群の中において、フィットがその路線を選択しなくてもいいのかな?(アッ、いっちゃった) とは思っているんですね。もう少し言葉を強くして言うと、ホンダはこういう解じゃなくてもいいかな? と思うわけです。特に今回、マイナーチェンジということもあってさらに洗練/熟成がなされていたのですが、それがゆえに、余計にこのクルマから「らしさ」なるものが薄れた感は否めないかな、と…。いや、ホンダにとっては重要なモデルですから今後もこの台数は確保してほしいところですし、これが今のホンダだ! と言われるなら納得します。が、ホンダならもう少し”何か”をしてもいいかな、と思うし、それがホンダでしょと思うわけです。僕は勝手に、ね。
■そうそう、何もハイブリッドがダメだとか、ノーマルがダメだとか、そういう話でもないのです。そしてRSなら納得だろう…と皆さん想像してらっしゃるかもしれません。が、しかし、むしろ僕的にはRSがもっとも「まなぶ的に選ばない」モデルだったなぁという想いがあります。勘違いのないように記しておきますと、僕はスポーツモデルよりもむしろノーマルモデルの方を好む質ですからね、特にコンパクトカーとかベーシックなモデルでは。例えばスイフトやポロもそうであるように。
■誰かが、フィットは普段乗りで良いクルマ、これ以上のワインディングやクローズドコースに何かを期待するならば…と記してくれたのですが、そこが僕の中での最大の論点で、僕がどうして今フィットやマーチやヴィッツを選ばないのか? の理由は、まさにそこにあるのです。そう、僕は別にコンパクトカーに、ワインディングやクローズドコースでの何かなんて少しも期待してない。期待しているのはあくまで、普段乗りでの印象。そしてその点において、確かにフィットやヴィッツやマーチは良いクルマ、だと思います。しかし、ポロやスイフトもまた良いクルマであり、2台はその上でさらに「あれ?何か楽しい」とか「何か気持ちいい」があるのです。ここが重要ですし、僕にとってはこれが一大事な部分なのです。もちろん、普段乗りで何かいいかも…と思わせる背景には、ワインディングやクローズドコースで走らせた時に目から鱗が落ちたり舌を巻くような基礎体力があるからこそなのですが。そういう部分が今の主役といわれるフィット、ヴィッツ、マーチには欠けています。もちろん僕はヴィッツやマーチはそれでいいと思っているのです。けど、フィットはね、ちょっと違う。
■やっぱりホンダには期待しちゃうんですよ。普通のコンパクトカーでも普段乗りで走り出した瞬間から、素直に笑顔になれたり、胸が張れたり、誇らしくなったり、気持ちがスっと軽くなれたり…のモロモロを。まぁ、おそらく多くの人のホンダへの期待というのはそんなところじゃないかと。で、僕だったらこう…。
■「ん〜スイフトもポロも普段乗りの印象が良い上に、走らせると何か楽しい気持ち良いという要素を加えてるからコンパクトの中では群を抜いてるけど、やっぱフィットは明らかにその上を行ってるよな〜、このユニークさは他では絶対無理、さすがホンダだよね」

