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未知の領域を持つスーパースポーツ…レクサスLFA
2010.10.18
■ついに撮影に成功したレクサスLFA。しかし残念ながら車載カメラの搭載は許可が得られなかったため、動画はディテール、エンジン音、外走り少々という構成となっている。
■そこで今回はいくつかの写真と簡単な印象をここに掲載しようと思う。

■写真で見ても判るようにデザインは他のどのスーパースポーツにも似ていない独自の雰囲気を放っている。これは主観だが、どこかジャパニメーションを思わせるテイストが漂っているように感じるのは気のせいか。ただし、ガンダムでもなく、エヴァでもない。僕はこのクルマを見ると、なぜかマクロスを思い起こす。デザイン的に関連があるわけではないのだが、なぜだかそういう匂いがする。

4.8LのV10エンジンはLFAの走りの印象を語る上でかなりウェイトを占めているものだといえるだろう。最高出力560ps/8700rpm、最大トルク48.9kgm/6800rpm…という数字よりも何よりも、記憶に残るのはそのエンジンサウンドだろう。スーパースポーツの世界においてエンジンはとても重要な意味合いを持っているのは確かだが、それそのものを強く印象づけてくれるのはやはりフェラーリのそれであり、その要因は主にサウンドにあるといえる。そうしてサウンドを軸にしてみた場合、これまでは「フェラーリとそれ以外」という構図が密かにあったといえる。しかし、LFAのV10サウンドはフェラーリのエンジンサウンドに並ぶことのできる、フェラーリとは異なる魅力を持ったサウンドと言うことができるレベルにある。ゆえにスーパースポーツのサウンドにおいて、フェラーリとそれ以外という図式を打破し、フェラーリとLFA、とそれ以外の図式を作ったともいえる。そしてこの音こそ、このクルマのある種のハイライトである。

■インテリアは液晶メーターを始めライバルを見て良く練り込まれている、といった印象を受ける。各パーツのクオリティも高品質が貫かれているのがレクサスらしいところ。短時間の試乗だったが、それでもコックピットには「着る感覚」が垣間見えたのは初めてスーパースポーツを作ったにも関わらず感心できる部分ではないだろうか。この辺りは理詰めの得意な日本の自動車メーカーのなせる技かもしれない。つまり、想像以上にしっくり来る場所、だった。

■エクステリアでキーポイントになっているのが、リアのクォーターウインドー回り。リアに向かって滑らかに下降していくルーフラインとリアラジエターへのエアインテーク部分が織りなす造形はひと度目にすると忘れない部分といえる。

■非常に精巧な動きをするリアウイングは上段だけでなく、ポップアップ時には下段にさらにもうひとつのリップ的なウイングがせり上がって来る複雑な構造をしている。そしてこのウイングによって超高速域でもしっかりと路面へ吸い付くライド感を与えてくれている。
■走りの印象は、常人には到達できない未知の領域を持つスーパースポーツ、といえるもの。まずその性能をフルに引き出すには、バイワイヤブレーキ、電動パワステが生み出す独特のフィーリングを理解し使えるようになる必要がある。これだけで相当にハードルが高い。さらにその先の領域でも、極めて高いスキルが要求される。従来のセオリー通りに運転していては、このクルマの持っている能力の全てを引き出すことはできないといえる。中途半端なスキルで運転すると、バイワイヤブレーキ、電動パワステのフィーリングのデッドな部分に直面するため、違和感を覚えるが、実はその先にこのクルマが光る領域が隠されている。バイワイヤブレーキはフィーリング的にデッドな部分を見越して突っ込み過ぎを避けるように踏み、その後の転舵は躊躇なく行い、そして立ち上がりからスロットルを積極的に踏んでいかなければならない。こうした操作はよほど熟練しないと可能ではないが、これができると尋常ではない圧倒的な速さを生み出すのがLFAの真骨頂。事実、LFAに慣れ親しんでいる飯田章選手はそのような感覚でLFAを走らせていた。実際にコーナリング時はスロットル開度は大きめで、コーナリング姿勢は常にニュートラルから弱オーバー程度を維持して走らせていた。つまりタイヤを路面へ常にしっかり押し付けるような入力を維持することを頭に入れておく必要があるようだ。そう考えると、良くできたVDIMの制御を理解した上で、ブレーキングもコーナリングも加速も、しっかりと力が出せるように頭を切り替える必要がある。ということは…これは全性能を引き出すことを考えた場合、相当に高いスキルが要求される。

